◎一部の地域では数か月分の雨が数時間で降った。
2022年4月14日/南アフリカ、東部ダーバン、水を運ぶ市民(Getty Images/AFP通信)

南アフリカ政府は14日、東部ダーバン(クワズール・ナタール州)の洪水で少なくとも341人の死亡を確認したと明らかにした。

予報官によると、ダーバンと周辺地域ではここ数日の大雨で地盤が緩み、山間部では土砂災害が発生しやすい状況になっている。

州政府の報道官は記者団に対し、「洪水の影響を強く受けた低地エリアと土砂災害に見舞われた山間部エリアでは多くの行方不明者が報告されており、死者はさらに増える見込みである」と説明した。

大雨は同州に大混乱をもたらし、数千戸の民家、企業、港、高速道路を含むインフラが甚大な被害を受けた。

ダーバン市の当局者はAP通信の取材に対し、「ダーバンとその周辺地域の被害額は5,200万ドル(約65億円)以上と見積もっているが、被害の全容はまだ分かっていないため状況を注視している」と述べた。

地元メディアによると、少なくとも120の学校が浸水し、学校だけで被害額は2,600万ドル以上と推定され、当局は州内のすべての学校を一時閉鎖すると発表した。

教育相はこの洪水で生徒少なくとも18人と教師1人の死亡を確認したと明らかにした。

地元メディアによると、ダーバンの西部地区で政府の支援の不足に抗議するデモが発生し、警察がスタングレネードと催涙ガスを使用したという。

政府は救助と捜索作業を支援するために軍を派遣している。

地元メディアによると、ダーバンと周辺地域の大部分で水道が止まり、電力とインターネット通信も停止したという。政府と関係企業は復旧作業を急いでいるが、全面復旧には数週間かかる見込み。

ラマポーザ大統領は14日、「緊急閣議で洪水を国家災害に認定し、支援を加速する」と記者団に語った。「これは未曽有の大惨事であり、国を挙げての支援、救助、捜索、復興が必要です」

野生動物局によると、ダーバン北部の施設から逃げ出したクロコダイル14匹は無事捕獲された。

2022年4月13日/南アフリカ、東部ダーバン、被災者の話を聞くラマポーザ大統領(左)(Kopano Tlape/South African Government Communication/AP通信)
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