◎ソマリアで2011年に発生した飢饉では約25万人が餓死したと推定されている。
ソマリアの難民キャンプ(UNICEF)

東アフリカ地域の地域経済共同体「政府間開発機構(IGAD)」は5日、歴史的な干ばつに見舞われているソマリアで子供を含む数万人の命が消えかけていると警告した。

ソマリアを含む東アフリカ諸国は4年連続で雨期を逃し、今年の雨季も厳しい結果になると予想されている。

IGADの報道官によると、ソマリアは今年も雨期を逃す可能性が高く、多くの地域が降水量ゼロを維持する見通しだという。

国連は世界で最も貧しい地域の市民2000万~5000万人が深刻な食料不足に直面し、国際社会の支援がなければ「恐ろしい数の子供が餓死する」と警告している。

IGADによると、この地域の干ばつで生活の糧を失った人は100万人を超え、その多くが難民キャンプで生活を送り、数千人が餓死したと推定している。

干ばつで土地と家畜を失った人々は難民キャンプまで徒歩で移動している。この地域で活動する支援団体によると、難民キャンプに続く道には餓死した人が多数埋葬されているという。

残念なことに、首都モガディシュなどの都市部以外の難民キャンプに支援はほとんど届かず、未知の数の市民が水と食料を必要としている。

ソマリア政府は、多くの国際的な支援団体がロシアのウクライナ侵攻に焦点を当てているため、ソマリアに十分な支援が届いていないと嘆いている。

ソマリアは国内で消費する小麦の約90%をロシアとウクライナから調達していたため、両国の貿易停滞で大打撃を受けた。現在の食料・燃料価格の高騰も危機に拍車をかけている。

ソマリアで2011年に発生した飢饉では約25万人が餓死したと推定されている。国連によると、その半分が子供だった。

国連は5日、ソマリア南部で今年後半までに飢饉が発生する可能性があることを示す兆候を確認したと警告した。

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