◎ソマリア政府は先月、下院選挙の期日を2月25日から3月15日に延期すると発表した。
2021年5月1日/ソマリア、首都モガディシュの連邦議会(Getty-Images/AFP通信)

ソマリア現地メディアによると、連邦議会は全国で実施している下院選挙の締め切りである3月15日になっても結果を公表できず、再延期がほぼ確実になったという。

ソマリア政府は先月、下院選挙の期日を2月25日から3月15日に延期すると発表した。AFP通信によると、政府は15日夕方の時点で選挙に関する声明を発表しなかったという。

ソマリアの選挙システムは複雑で、3万人近い氏族代表が下院議員275人を選び、上院議員は州議会の投票で選出される。

その後、上下両院の議員が投票で新大統領を選出する。政府の公式データによると、15日時点で南西部地域と中部のガルムドゥグ自治国(ソマリア連邦の構成国のひとつ)の選挙は終了したが、3州(ジュバランド、ヒーシェベリ、プントランド国)の40議席は確定していないという。

下院選挙は新大統領の選出に向けた重要な一歩であるため、延期は国際社会を失望させた。

ソマリアは世界で最も危険な国のひとつであり、ソマリア・EU・米国連合軍はアルカイダ、アル・シャバブ、アルヒジュラ、ムジャヒディン、イスラム国、ソマリアのイスラム国などのジハード組織と対峙している。2009年に始まった内戦が終結する見通しは全く立っていない。

連邦議会は新大統領を選出するための取り組みを1年以上続けている。モハメド大統領の任期は2021年2月に満了したため、下院は新大統領が選出されるまでモハメド大統領の任期を延長する決議を4月に採択した。

モハメド大統領の任期延長が決まると、首都モガディシュで武力衝突が発生した。

モハメド大統領はローブル首相の派閥に融和を求め、ローブル首相に下院選挙の準備を進めるよう指示した。しかし、二人の緊張はその後急速に高まり、選挙手続きは遅延した。

モハメド大統領の派閥とローブル首相の派閥は安全保障の権限を誰に与えるかで激しく対立している。アフリカ連合の平和維持ミッションは暴力ではなく話し合いで混乱を収めるよう求めている。

今年1月、ローブル首相と地域指導者は昨年11月に始まった下院選挙を2月25日までに完了させることで合意した。モハメド大統領も合意を支持している。

国際社会は期限の延期と治安の悪化に懸念を表明している。米国は先月末、一部の個人がソマリアの民主化プログラムを損ねたと非難し、対象者に制裁を科した。

ソマリアの民主化プログラムを支援している国際通貨基金(IMF)も懸念を表明し、「選挙の遅れで新政権のプログラム承認が間に合わなければ、資金を提供できなくなる可能性がある」と警告している。

国連も同国のスワン特使を通じて、下院選挙を速やかに完了させるよう求めている。

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