◎国連は▽世帯の5分の1以上が極度の食料不足に陥る▽児童の30%以上が急性栄養失調に陥る▽1日当たりの餓死者数が1万人中2人を超えた場合、飢饉を宣言する。
2017年2月22日/ソマリアの難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

国連は20日、アフリカ東部のソマリアで進行中の未曽有の干ばつにより、昨年4万3000人もの市民が死亡し、そのおよそ半数が5歳以下の子供と推定されると報告した。

国連の専門家パネルは20日に公表したレポートで、「ソマリアで進行中の干ばつは2017~18年の大干ばつを上回る」と警告した。

国連がソマリアの干ばつの死者数を推定したのはこれが初めて。研究を主導したのはロンドン大学衛生熱帯医学大学院。

国連はレポートの中で、「2023年上半期の死者数は昨年を上回る可能性がある」と指摘した。

首都モガディシオに拠点を置くユニセフのソマリア支部は声明で、「この調査結果はソマリアを含むアフリカ東部の広い範囲で多くの家族が危機に直面していることを意味する」と警告した。

世界保健機関(WHO)も同様の見解を示し、国際社会にさらなる支援を呼びかけた。「国際社会はこの回避可能な問題に誠実かつ素早く対応しなければなりません...」

WHOのソマリア代表は声明で、「私たちは飢餓や食料不足で多くの市民が亡くなるところを見てきた」と述べている。「私たちが今行動しなければ、より多くの市民、より多くの子供が飢餓や栄養失調で死亡する可能性があります」

またWHOは無策の代償が子供や女性、その他の弱い立場の人々の命を奪うことになると警告した。

国連によると、ソマリアの一部地域は5年連続で雨季を逃し、推定500万人が深刻な食料不足に、200万人近くの子供が栄養失調に直面しているという。

食料危機の深刻さを判断する世界標準を定めた総合的食料安全保障レベル分類(IPC)は昨年末、一部の専門家が予想した大飢饉は一時的に回避されたものの、複数の地域で状況は悪化していると警告した。

IPCはレポートの中で「飢饉は宣言されなかったが、危機から目をそらしてはいけない」と述べている。

国連は▽世帯の5分の1以上が極度の食料不足に陥る▽児童の30%以上が急性栄養失調に陥る▽1日当たりの餓死者数が1万人中2人を超えた場合、飢饉を宣言する。

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