◎ウガンダ政府は先月、中部ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。
2022年10月30日/ルワンダ、ウガンダ国境に設置されたエボラウイルス検査所(Africanews)

ルワンダ当局は30日、ウガンダ国境にエボラウイルス専用の検査所を設置した。

ウガンダから入国する個人は検査所で体温測定を求められ、発熱の症状がみられる人は別途検査を受ける。

対策チームを率いる医師はアフリカニュースの取材に対し、「エボラ出血熱に感染していると疑われる人は医療機関に搬送、隔離される」と説明した。

当局によると、約60人が発熱などの症状でエボラ感染を疑われたが、陽性者は確認されなかったという。

ウガンダ政府は先月、中部ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。この男性のサンプルを調査した結果、スーダン株であることが確認された。

感染者と死者が増加しているムベンデ県とカサンダ県はロックダウンされている。首都カンパラでは10月24日に初めて感染者が確認された。

ウガンダの保健省によると、全国の感染者は26日時点で109人、死者は30人。エボラの初期症状はマラリアとよく似ているため、重症化するまで気づかない人が多く、同省は注意を呼び掛けている。

国境検問所で検査を受けたケニア人男性は、「ウガンダの一部地域でエボラが流行していると聞いていたが、国境で検査を求められるとは思わなかった」と語った。

エボラウイルスはコンゴ民主共和国(旧ザイール)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。このウイルスに感染し死亡した人は約1万5000人と推定されている。

2013年から2016年にかけて西アフリカ諸国で発生したパンデミックでは1万1000人以上が死亡した。

スーダン株の感染力はザイール株に比べると弱く、死亡率も低いとされる。ただし、ザイール株対応のワクチンは開発されているが、スーダン株は未開発である。

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