◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
2016年5月18日/リビア沖、移民を乗せた船(Valeria Mongelli/AP通信)

リビア東部で人身売買組織の支配下に置かれていたパキスタン人約400人が解放された。地元の権利団体が7月31日、明らかにした。

それによると、陸軍の兵士とみられる部隊は31日未明、東部の港湾都市近くにある倉庫を急襲し、欧州への亡命を希望するパキスタン人少なくとも385人を救出したという。

AP通信は関係者の話しとして、「パキスタン人たちは欧州に行くためにリビアに渡ったが、何らかの理由で人身売買組織に拘束された」と伝えている。

それ以上の詳細は明らかになっておらず、リビア政府および東部に拠点を置くもうひとつの政府はこの事件に関する声明を出していない。

地元の権利団体がフェイスブックに投稿した写真には、武装した治安部隊と一緒に歩く子供や、倉庫の外で抱き合う人々の姿が写っていた。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。

同国で活動する人身売買組織は不安定な情勢を利用して多くの利益を上げているとみられ、エジプト、アルジェリア、スーダンなど、少なくとも6カ国から国境を越えて移民を移送している。

そして移民たちは装備の整わない木造船やゴムボートに乗り、イタリアやギリシャの島々を目指すのである。

ギリシャ沖で6月14日に発生した移民船転覆事故ではパキスタン、シリア、エジプト、パレスチナの亡命希望者とみられる700~750人が地中海に投げ出された。乗船者のうち、約350人がパキスタン人であったとされる。

ギリシャ沿岸警備隊は82人の遺体を収容し、104人を救助。500人以上が行方不明のままである。救助された104人のうち12人がパキスタン人であった。

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