◎西アフリカではこの数年、軍事クーデターが相次いでおり、西側の主要な同盟国であったニジェールの政変は国際社会に衝撃を与えた。
2023年8月10日/在フランス・ニジェール大使館前、バズム大統領の釈放を求める女性(Getty Images/AFP通信)

軍事クーデターで追放されたニジェールバズム(Mohamed Bazoum)大統領が釈放と復職を求める請願書を西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の裁判所に提出した。現地メディアが関係者の話しとして20日に伝えた。

それによると、バズム氏の弁護士はクーデターで政権を掌握した軍政が基本的人権を侵害したと非難し、民主的な選挙で選出された大統領の即時復職をECOWASの裁判所に求めたという。

この請願書は今週提出された。

ECOWASの司法当局は請願書に関する声明を出しておらず、裁判が行われるかどうかも不明。

大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム氏とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

ECOWASはバズム氏の即時解放と憲法秩序の回復を軍政に求め、応じない場合は軍事介入も辞さないと警告している。

西アフリカではこの数年、軍事クーデターが相次いでおり、西側の主要な同盟国であったニジェールの政変は国際社会に衝撃を与えた。

AP通信はバズム氏の弁護士の声明を引用し、「我々がこの請願書で目指していることは軍政による人権侵害の解消、バズム氏とその家族の解放、そしてECOWASを含む同盟国から復職の許可を得ることである」と伝えている。

請願書はバズム氏をクーデターの「犠牲者」とし、ECOWAS裁に対し、ニジェールの憲法秩序の回復および、国民が選出した大統領および民主的な権限を回復するよう求めている。

一方、軍政は隣国のマリ・ブルキナファソ軍政の力を借りて支配を確立しようとしている。

チアニ氏は今月、首相を含む閣僚を任命し、ECOWASの反対を押し切って3年間の暫定政権を発足させるプロセスを開始した。

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