◎ナイジェリア北部ではこのような誘拐事件が多発している。
2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア北西部ザムファラ州で先週誘拐された大学生14人が救出された。地元当局が25日、明らかにした。

武装勢力は先週、同州の郊外にある大学の寮を急襲し、学生と職員少なくとも20人を拉致した。

ナイジェリア北部ではこのような誘拐事件が多発している。

同国最大のテロ組織であるイスラム過激派ボコ・ハラムは2014年、北東部ボルノ州チボクの学校を襲撃し、12歳~17歳の少女276人を誘拐した。その多くが今も行方不明のままである。

ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつであり、戦闘員の数は数万人と推定され、その影響力は拡大し続けている。

ボコ・ハラムとナイジェリア軍は戦争状態にあり、その一派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」も各地で攻勢を強めている。

先週の誘拐事件にボコ・ハラムが関与しているかどうかは不明だ。これらの武装勢力やギャングは身代金と引き換えに人質を解放する。

陸軍の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ザムファラ州の大学に通う生徒14人および、別の被害者2人を救出した」と述べるも、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

また報道官は「北部の大学およびそこに通う学生とその家族はテロリストの攻撃にさらされないか、戦々恐々としている」と述べた。

陸軍は別の声明で、「チアパス州の大学や中等学校などの警備を強化する措置を取っている」と強調した。

今年就任したティヌブ(Bola Tinubu)大統領は過激派の取り締まりを強化すると公約に掲げているが、暴力の波に圧倒されているようにみえる。

野党と同国の人権団体はティヌブ氏の治安対策を不十分と非難している。

同国の北西部と中部では誘拐や強盗を生業とする武装ギャングが100以上活動しており、その多くがフラニ人(遊牧民)の若者で構成されている。

ギャングは警備が不足している遠隔地の集落や学校を標的にすることが多い。

ティヌブ氏は24日の声明で今回の誘拐事件を非難し、「同政権はテロリストの脅威から教育機関を保護するために必要な措置を取り続ける」と表明した。

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