◎ブハリ大統領の後任を決める選挙は今月25日に予定されている。
ナイジェリア北部の選管当局者(Getty Images)

ナイジェリア政府は9日、治安上の懸念を理由に、今月予定されている大統領選の期間中、全国の大学を閉鎖するよう命じた。

地元メディアによると、政府は各校に宛てた書簡の中で、「大学の職員、学生、財産に対する攻撃のリスクが高まっている」と警告したという。

ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領の後任を決める選挙は今月25日に予定されている。登録有権者は過去最高の9400万人に達した。

報道によると、大学の閉鎖期間は2月22日~3月14日まで。対象は200校以上におよぶ。政府はこの措置について、「治安当局と協議し決めた」と説明している。

同国の北西部と南東部地域では100を超える武装勢力が活動している。

同国最大の武装勢力であるイスラム過激派組織ボコ・ハラムは北部の大学も標的にし、学生数百人を誘拐。その多くが行方不明のままだ。

ナイジェリア軍はボコ・ハラムと10年近く戦っているが、紛争終結の見通しはまったく立っていない。

政府の大学委員会はAP通信の取材に対し、「今回の閉鎖措置は学生の投票を促す効果も期待できる」と語った。同国の選挙法は登録した地域以外での投票を認めておらず、大学閉鎖により多くの学生が帰郷し、投票しやすくなる。

選挙管理委員会によると、有権者の約28%が学生であることから、今回の措置は投票率を押し上げる可能性が高いという。

2019年大統領選の投票率は過去最低を更新する34%にとどまった。

2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)
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