◎大統領選で勝利するためには全36州と首都アブジャの3分の2で得票率25%以上を集め、かつ最多得票となる必要がある。
2023年2月27日/ナイジェリア、首都アブジャ、与党・全進歩会議のティヌブ氏(ロイター通信)

報道によると、ナイジェリアの高等裁判所は次期大統領の就任式の中止と現職の任期延長を政府に要請したという。

この裁判は2月末に行われた大統領選に異議を唱えるもののひとつである。開票の結果、与党・全進歩会議(APC)のティヌブ(Bola Tinubu)氏が得票率37%で野党2候補に勝利した。

5人の原告は首都アブジャの高等裁判所に対し、「ティヌブ氏の当選は確定しておらず、5月29日に就任すべきでない」と訴えた。

大統領選で勝利するためには全36州と首都アブジャの3分の2で得票率25%以上を集め、かつ最多得票となる必要がある。この条件を満たす候補がいない場合は上位2人の決選投票に移行する。

この裁判が結審するまでブハリ(Muhammadu Buhari)大統領が留任するか否かは不明である。

原告側はティヌブ氏がアブジャで25%以上の票を獲得できておらず、次期大統領に選出されたことは違憲と主張している。

少なくとも5つの政党が結果に異議を唱え、国内約17万7000の投票所で選挙管理委員会が運営するポータルサイトへの結果通知が遅れ、票が操作されたと主張している。一部地域では有権者が脅迫を受け、投票を禁じられた集落もあったとされる。

しかし、選管はティヌブ氏の勝利を公式に認めた。

原告の弁護士はAP通信の取材に対し、「憲法の規定を満たしていない人物の宣誓はありえない」と語った。「私たちはひとまず、この問題が解決されるまで、現職に留任するよう求めます」

2大野党は以前、選挙結果が不正に操作されたとして選管に異議を申し立てていた。

政府はこの裁判に関する声明を出しておらず、就任式が延期されるかどうかは不明である。一部の専門家はブハリ氏の任期を延長すれば、長い軍事支配と暴力という波瀾万丈の歴史を持つこの国に危機が訪れると警告している。

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