◎ナイジェリアで昨年誘拐被害に遭った児童は約1500人。
2018年3月21日/ナイジェリア、イスラム過激派組織ボコハラムに誘拐され、その後解放された学生と保護者(Jossy Ola/AP通信)

ユニセフ(国連児童基金)によると、ナイジェリアでは約1850万人の児童が学校に通えず、その数は2001年以降増加し続けているという。

ユニセフは昨年、同国の児童約1050万人が就学できていないと報告していた。

ナイジェリア北部カノのユニセフ事務所の所長は12日の記者会見で、「現在1850万人の児童が就学できておらず、そのうち1000万人以上が女児である」と説明した。

所長によると、北部地域で活動するジハード組織や武装集団による学校襲撃事件が問題を悪化させているという。「学校に対する攻撃は地域の教育機関を不安定にし、保護者は子供を学校に通わせたくないと思うようになりました...」

イスラム過激派組織ボコ・ハラムによる2014年の中等学校襲撃・誘拐事件は世界に衝撃を与えた。誘拐された女子生徒276人の大半の安否は今も分かっていない。

この事件以降も児童誘拐は後を絶たず、何十もの学校が標的になり、数千人が誘拐されたと推定されている。

ユニセフによると、昨年誘拐被害に遭った児童は約1500人で、大半は身代金と引き換えに解放されたが、一部は武装集団の拠点である北部のジャングルで監禁されているという。

所長は、「貧しい農村部では女児の4人に1人しか中学校を卒業していない」と述べた。「治安の悪化が男女間の不平等を後押ししています...」

ナイジェリア軍は近年、ボコ・ハラムを含むジハード組織や武装集団の取り締まりを強化しているが、暴力が収まる気配は見えない。

ユニセフによると、当局は2020年12月以降、暴力と集団誘拐により1万1000以上の学校を閉鎖せざるを得なくなったという。

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