◎ナイジェリアでは身代金目的の誘拐が多発しており、イスラム過激派が拠点を置く北部地域では日常茶飯事である。
2021年6月12日/ナイジェリア、ラゴス、デモ参加者と警察官(Sunday Alamba/AP通信)

ナイジェリアの警察当局は25日、武装集団が南部リバーズ州の警察官3人を殺害し、石油会社の幹部を誘拐したと発表した。

事件は石油産業の中心都市であるポートハーコートの市内で発生。軍服に身を包んだ男たちが石油会社の幹部を乗せた車を襲撃した。

州警察の報道官はAFP通信の取材に対し、「武装集団は護衛に当たっていた警察官3人を殺害し、幹部を誘拐した」と語った。

報道官によると、男たちは陸軍のパトロールを装い、車列に停止を求めたという。

誘拐されたのはポートハーコートに本社を置くナイジェリアの石油・ガス企業IGPESグループの幹部。

地元メディアによると、犯行声明は出ていないという。

ナイジェリアでは身代金目的の誘拐が多発しており、イスラム過激派が拠点を置く北部地域では日常茶飯事である。

過激派や武装手段は富裕層だけでなく貧困層(主に児童)も誘拐する。

ナイジェリアはアフリカ最大の原油輸出国だが、今年の生産量は盗掘と違法製油所の影響で大幅に減少した。この業界は汚職が蔓延しており、ごく一部の者が富を独占している。

さらに数十年にわたる不作為を見逃し、環境対策を怠った結果、油田のある地域は汚染され、犯罪と暴力がはびこる危険地帯になった。

地元メディアによると、武装集団はこの20年で石油会社の関係者数百人を誘拐したという。一部の勢力は「資源の搾取に反対する」という犯行声明を出しているようだ。

当局は違法製油所を厳しく取り締まっているが、それでも盗掘はなくならず、1日あたり推定47万バレルもの原油を失っているという。

2019年8月8日/ナイジェリアの違法製油所(Afolabi-Sotunde/ロイター通信)
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