◎ナイジェリアの一部地域では儀式にミイラを使用するという古来の伝統が残っている。
2019年8月8日/ナイジェリア、南部ベニンシティで行われた宗教行事(ロイター通信)

ナイジェリアの警察当局は17日、南部ベニンシティの建物で子供を含む20体のミイラ化した遺体を発見したと発表した。

警察の報道官によると、事件に関わったとされる3人を逮捕したという。3人の認否は明らかにされていないが、一部の地元メディアは警察筋の話を引用し、「20人は殺害された可能性がある」と報じた。

報道官は声明の中で、「特殊部隊は市内のある建物で常軌を逸した儀式が行われているという情報を受け、家宅捜索を行った」と説明している。

報道によると、特殊部隊はミイラ化した成人男性15人、女性3人、子供2人の遺体を発見したという。

ナイジェリアの一部地域では儀式にミイラを使用するという古来の伝統が残っている。地元メディアによると、一部の過激な宗派はミイラを確保するために女性や子供を誘拐することもあるという。

ナイジェリアの警察はこの類の事件に慣れているが、今回の犠牲者数は過去最大規模とみられ、国民に衝撃を与えた。

AP通信によると、家宅捜索が行われた建物の近くには野次馬が数百人集まったという。

APの取材に応じた近隣住民は、「警察が踏み込んだことをニュースで初めて知った」と語った。

警察によると、遺体の身元や死亡日時は調査中。逮捕された3人は取り調べを受けている模様。

容疑者は3人とも20代の男性とみられる。警察は声明の中で「逃亡中の容疑者を追跡している」と説明したが、詳細は明らかにしていない。

ナイジェリア紙THIS DAYは情報筋の話を引用し、「この建物は特定の宗派にミイラを提供する人倍売買組織の拠点とみられる」と報じている。

ナイジェリアでは人身売買や児童売買が横行している。同国の売春組織に詳しい専門家によると、貧困外で暮らす一部の女性は現金欲しさに売春し、新生児を組織に売っているという。

南東部アナンブラ州で今年6月に摘発された組織は少女を監禁し、売春で利益を上げ、産ませた子供を売ることでさらに利益を上げようとしていたとみられる。

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