◎ナイジェリアの認可電気通信事業者協会は6月5日、「政府の指示に基づき、ツイッターへのアクセスを停止した」と述べた。
2021年5月18日/フランス、パリ、アフリカ経済の資金調達に関するサミット、ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領(左)とWTOのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ事務局長(AP通信)

現地メディアによると、ナイジェリア政府は国内でのツイッターの使用を予定通り禁止したという。

ナイジェリアの認可電気通信事業者協会は6月5日、「政府の指示に基づき、ツイッターへのアクセスを停止した」と述べた。

ライ・モハメド情報文化大臣は4日の声明で、ツイッターへのアクセスを無期限に停止すると発表していた。「ツイッターはナイジェリアの企業の存続に関わる活動に利用されており、政府は無期限停止を決断しました」

モハメド情報文化大臣によると、ツイッター社はナイジェリア政府への暴力を煽るツイートを過去に何度も無視していたという。

ナイジェリア国内では親ビアフラ(かつてのビアフラ共和国)の分離主義者が活動を活発化させており、政府の施設や警察に対する攻撃を繰り返している。ムハンマド・ブハリ大統領はビアフラの分離主義者に対し、「彼らが理解できる言語で攻撃を控えるよう呼びかける」と差別的なツイートを投稿し、物議を醸していた。ツイッター社は当該ツイートを削除している。

1967年から1970年まで続いたナイジェリア内戦でイボ族のリーダー、エメカ・オジュクウ中佐率いるビアフラ共和国(南東部地域)はナイジェリア軍に敗れた。この内戦におけるビアフラの餓死者数は200万~300万人と伝えられているが、正確な死亡者数は明らかにされていない。ブハリ大統領はイボ族と対立したフラニ族の出身である。

人権団体アムネスティ・インターナショナルは、「ナイジェリア政府は国民の表現と言論の自由を抑圧した」と非難した。「私たちは当局に対し、違法なツイッターの禁止措置、メディアへの虐待、市民の抑圧、人権侵害を含むその他の措置の撤回を要求します」

ナイジェリアの米国大使館は表現の自由を保障しなければならないと述べた。「ツイッターの禁止措置はナイジェリアの能力を弱体化させ、市民、投資家、企業に誤ったメッセージを発信します。ソーシャルメディアの禁止は国民の情報を求め、受け取り、伝達するという基本的な権利を損なうでしょう」

ツイッター社は禁止措置について、「自由で開かれたインターネットは現代社会における不可欠な人権のひとつであり、政府の行動に深い懸念を抱いている」と述べた。

現地メディアによると、ナイジェリアのツイッターユーザーは推定4,000万人で、その多くが若者だという。一部のユーザーは仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリを利用することで禁止措置を回避している。

しかし、アブバカル・マラミ法務大臣は4日、禁止措置に逆らう者は訴追されると警告した。

政府は禁止措置に続き、国内の全てのオーバー・ザ・トップ・ストリーミングサービスとソーシャルメディアの操作にライセンスを付与するよう関係当局に命じた。これにより、WhatsApp、ネットフリックス、フェイスブックなどの主要メディアを含む通信サービスは政府の定める制限下に置かれることが確実になった。

1985年8月の軍事クーデターを主導したブハリ大統領は当時、メディアを閉鎖し、軍事政権に批判的なジャーナリストを投獄できる権限を政府に与えた。

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