▽チアニ氏は23年のクーデターでバズム大統領を追放。隣国マリとブルキナファソの軍事政権と連携し、権力を確固たるものにした。
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アフリカ西部・ニジェールの軍事政権を率いるチアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が新憲法の下、5年間の移行期間を主導すると誓い、大統領に就任した。
軍政の評議会によると、5年間の「柔軟な」移行期間は26日から始まるとのこと。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は速やかな民政復帰を求めていた。
チアニ氏は首都ニアメの式典で演説。軍事指導者たちが起草した新憲法を称賛した。
チアニ氏は23年のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領を追放。隣国マリとブルキナファソの軍事政権と連携し、権力を確固たるものにした。
マリ、ブルキナ、ギニアなど、アフリカ西部の軍事国家も同様のやり方で体制を確立している。
チアニ氏は当初、3年間の移行期間を提案していたが、ECOWASはこれを拒否。厳しい経済制裁を科した。
ニジェール、マリ、ブルキナはこれに反発し、今年1月にECOWASから正式に脱退した。
ニジェールと西側諸国の関係はクーデター以来、悪化の一途をたどっている。
軍政は旧宗主国フランスに部隊撤退を命じ、24年5月には米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。米軍は9月に撤退を終えた。
それ以来、軍政は国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織への対応に苦慮している。
ニジェール、マリ、ブルキナの軍事政権はサヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討している。
サヘル地域の治安は悪化の一途をたどっており、この10数年で数万人が死亡または行方不明になったとみられる。国連はこの半年で3500人が死亡、260万人が避難生活を余儀なくされていると推定している。