◎サヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ニジェール軍の兵士(Getty-Images)

ニジェール政府は11日、南西部のマリ国境近くでパトロール部隊がイスラム過激派とみられる武装勢力の待ち伏せ攻撃を受け、兵士少なくとも10人が死亡、16人が行方不明と発表した。

AFP通信は政府筋の話を引用し、「戦闘は10日に発生。兵士少なくとも10人が死亡し、多くが負傷。16人が行方不明となり、犠牲者は増える可能性が高い」と報じた。

南西部のマリ国境は首都ニアメ中心部から100kmほどしか離れていない。

この地域ではテロ攻撃が相次いでいる。

過激派は先週、マリの難民を収容するキャンプを急襲。少なくとも9人を殺害した。

国連によると、ニジェール国境付近のキャンプにはマリの難民6万人以上が避難しているという。

フランス外務省は11日遅く、「最も強い言葉でこの卑怯なテロを非難する」と声明を出した。

また同省はニジェール政府および国民との連帯を表明し、テロとの戦いにおいて、フランスはニジェール側に立っていると改めて表明した。

仏軍はニジェールのマリ国境を守る作戦に兵士250人を派遣し、ニジェール軍を支援している。

ニジェールやブルキナファソを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっており、2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は数百万人と推定され、数千人が死亡した。

仏軍は昨年、マリの駐留軍を完全撤退させ、その多くをニジェールに配備した。仏軍の主力部隊は現在、チャドとニジュールに駐留している。サヘル地域で活動する仏兵は約3000人。

仏軍はまもなくブルキナからも完全撤退する予定である。

フランスはサヘル地域の過激派に対する「バルハン作戦」を2014年に開始。マリ、ブルキナ、チャド、モーリタニア、ニジェール軍を支援してきた。この5カ国はフランスの旧植民地である。

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