◎7月の軍事クーデターでバズム大統領が追放されて以来、過激派によるテロ攻撃が増加している。
サハラ砂漠以南のサヘル地域で活動するイスラム過激派の戦闘員(ロイター通信)

西アフリカ・ニジェールで活動するイスラム過激派が陸軍のパトロール部隊を襲撃し、兵士少なくとも12人が死亡、7人が負傷した。現地当局が29日、明らかにした。

それによると、戦闘はサヘル地域の砂漠地帯で発生。過激派の戦闘員数百人はバイクで移動し、任務中のパトロール部隊に襲いかかったという。

軍政の報道官はフェイスブックに声明を投稿。「パトロール部隊はテロリストを100人以上無力化し、多くの銃器とバイクを破壊した」と主張した。

報道官によると、負傷した兵士は近くの病院に搬送されたという。

ニジェールは長年、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派と戦ってきた。

報道によると、7月の軍事クーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が追放されて以来、過激派によるテロ攻撃が増加しているという。

大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム氏とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

ニアメで活動する人権団体によると、先月確認されたテロ攻撃の回数は7月から40%以上急増したという。民間人を狙った攻撃は前年同月の4倍に達した。

先月過激派のテロ攻撃で死亡した陸軍兵士は少なくとも40人。人権団体は実際の死者数はもっと多いと推定している。

ニジェールはサヘル地域において、西側諸国と連携する民主主義国家のひとつであった。米国、フランス、その他の欧州諸国はニジェール軍の支援に数億ドルを費やしている。

この地域の旧宗主国であるフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は今週、ニジェールに駐留する兵士約1500人を年内に撤退させると発表した。

軍政に反発し退去命令を無視した駐仏大使も今週、2カ月に及ぶ対立の末、ニアメを離れた。

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