◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
モザンビーク、首都マプト、ユニセフの医療用テント(Getty Images)

モザンビークの保健当局は現在、この20年で最悪と呼ばれるコレラの集団感染と闘っている。

コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。

モザンビークでは今年2月下旬にサイクロン・フレディが上陸した後、コレラの感染者が急増した。

地元のラジオ局によると、北部の沿岸沿いにある町がコレラのホットスポットになったという。

ユニセフ(国連児童基金)のモザンビーク事務所は15日の声明で、「フレディの影響を受けた北部沿岸の町や集落では洪水の影響で水源に汚水が流れ込み、汚染されてしまった」と述べている。

ユニセフによると、多くの子供が汚染された井戸や水たまりの水を飲み、体調を崩したという。

この地域で活動する国連、世界保健機関(WHO)、国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は一時期、1日400人以上のコレラ患者を受け付け、対応に当たっていた。その数はこの数カ月で大幅に減少したが、それでも毎日数人が症状を訴えている。

ユニセフによると、この2週間の累計感染者は20人以下まで減少したという。

WHOはこの地域で活動する医師や看護師を称賛している。それによると、ピーク時には多くの医療従事者が連日、18時間連続で働き続けたという。

国連とWHOが主導する妊婦などを対象とした集団予防接種と自治体への働きかけが感染者の減少に一役買ったようだ。

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