モザンビーク抗議デモ、治安部隊が110人殺害=人権団体
◎野党は12日、政府が票を操作したと改めて主張し、支持者にさらなるデモを呼びかけた。
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アフリカ南東部・モザンビークの大統領選挙に抗議するデモで、治安部隊の取り締まりにより、これまでに少なくとも110人が死亡、数千人が逮捕された。地元の人権団体が12日、明らかにした。
大統領選は10月初めに行われ、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)のシャポ(Daniel Chapo)氏が得票率70%で勝利。野党は不正があったとして抗議デモを行うよう呼びかけている。
シャポ氏に敗れた野党候補のモンドラーネ(Venancio Mondlane)氏は逮捕される恐れがあるとして、国外に逃亡した。
野党は12日、政府が票を操作したと改めて主張し、支持者にさらなるデモを呼びかけた。
シャポ氏は11月24日に勝利を宣言。ニュシ(Filipe Nyusi)大統領の跡を継ぐことが決まった
FRELIMOは独立時に政権を握り、その後、モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)と15年にわたると血生臭い内戦を戦った。RENAMOは後に野党となり、今回の選挙にも候補を擁立した。
FRELIMOは過去にも不正選挙でしばしば非難されてきた。昨年の地方議会選挙後にも激しい抗議デモが起きている。
選挙と抗議デモを監視する市民団体PRDによると、10月21日にデモが激化して以来、治安部隊の取り締まりにより、少なくとも110人が死亡。そのうち34人が12月4~10日の間に殺害されたという。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも12日、PRDのデータを引用し、治安部隊に撃たれた市民357人のうち少なくとも110人が死亡、3500人以上が恣意的に逮捕されたと声明を出した。
国家警察は死傷者の数を公表していない。シャポ氏は来年1月に就任する予定だ。