◎メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。
2022年6月24日/スペイン領メリリャとモロッコの国境、亡命を試みる人々と国境警備当局(Getty Images)

EUの執行機関である欧州委員会は8日、モロッコとスペイン領メリリャの国境で発生した事故について、人身売買組織の取り締まりを促進するために、モロッコ政府との協力関係を強化すると発表した。

メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。

欧州への亡命を希望する人々は先月、モロッコ側からメリリャの国境フェンスに突撃し、国境警備隊と衝突した。この衝突で移民少なくとも23人が死亡、警備隊員を含む200人以上が負傷した。

欧州委員会のヨハンソン(Ylva Johansson)委員とスペイン内相はモロッコの首都ラバトでモロッコ内相と会談し、この事件について議論した。

ヨハンソン氏は会談後に公開したビデオメッセージで、「我々は国境で発生した暴力的かつ危険な事故を防ぐために、人身売買組織との戦いについて協議し、協力することで一致した」と説明した。

人身売買を取り締まる具体的な方法は明らかにされていないが、欧州委員会はこの地域の捜査体制とモロッコ当局との連携を強化するとしている。

モロッコ政府の報道官は7日、「国境の衝突は計画的かつ組織的に行われたと結論付けられた」と報告した。

モロッコ当局は犠牲者の多くが圧死したと発表している。しかし、複数の人権団体が死因の独立調査を要求し、国境警備隊の過剰な取り締まりを非難した。

欧州委員会は声明の中で、「ヨハンソン委員と両大臣は、モロッコ政府の事件を調査する独立委員会の創設を歓迎する」と述べている。スペインの検察当局も先週、調査を開始するとした。

メリリャの国境フェンスに突撃した移民の多くが負傷し、ある者は国境警備隊に殴りつけられたと伝えられている。一方、一部の暴徒化した移民は警備隊に石を投げつけ、負傷させた。

欧州委員会によると、モロッコ政府は今年、約2万6000人の不正出国を阻止し、100近くの「人身売買ネットワーク」を取り締まったという。

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