▽エチオピアの食糧危機は2020~22年の内戦を受け、悪化している。また22年には過去数十年で最悪の干ばつに見舞われ、農作物が壊滅的な被害を受けた。
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国連世界食糧計画(WFP)が深刻な資金不足のため、アフリカ東部・エチオピアでの支援活動を一時停止した。WFPエチオピア事務所が22日、明らかにした。
それによると、資金不足により、栄養失調の女性と子供約65万人を支援する取り組みの一時停止を余儀なくされたという。
WFPエチオピア事務所は声明で、「WFPは米国を含む15〜20の国から資金援助を受けているが、その多くが今年資金を削減した」と明らかにした。
エチオピアでは2年にわたる内戦から立ち直りつつある北部ティグライ州、アムハラ州、オロミア州など、いくつかの地域で散発的な戦闘が続いている。この内戦などにより、1000万人以上の市民が今も食料・医療支援を必要としている。
トランプ(Donald Trump)米大統領は就任初日に一部の重要なプログラムを除いて、どの対外援助が継続に値するかを90日間かけて見直すよう指示し、ほぼすべての対外援助を打ち切った。
WFPによると、エチオピアでは1000万人以上が深刻な食糧不足に陥り、その中には紛争や異常気象によって避難を余儀なくされた約300万人の国内避難民や、内戦で荒廃した隣国スーダンからの難民も含まれているという。
WFPエチオピア事務所は声明の中で、「WFPはここ数カ月、配給量を減らしてきたが、深刻な資金不足のため、その活動は今や限界点に達しており、より抜本的な対策を余儀なくされている」と述べた。
また同事務所は「今週、栄養失調の女性と子供約65万人に対する治療を中断せざるを得なくなったが、それは単に物資と資金が底をついたからである」とした。
エチオピアの食糧危機は2020~22年の内戦を受け、悪化している。また22年には過去数十年で最悪の干ばつに見舞われ、農作物が壊滅的な被害を受けた。
エチオピアの人口は約1億2500万人。2023会計年度には米国から18億ドル(約2550億円)の支援を受け取った。