◎SNSで拡散した動画には破壊された車と地面に散乱する白人男性の遺体が映っていた。
2020年8月27日/マリ、首都バマコ郊外(Getty Images)

西アフリカ・マリのトゥアレグ族で構成される反政府勢力は27日、アルジェリア国境付近の戦闘で陸軍兵士とロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員数十人を殺害したと主張した。

SNSで拡散した動画には破壊された車と地面に散乱する白人男性の遺体が映っていた。

マリ軍政は同日、「26日遅くに反政府勢力との戦闘が発生し、兵士2人が死亡、10人が負傷し、装甲車2台とピックアップトラック2台が使用不能になった」と声明を出していた。

軍は反政府勢力の戦闘員約20人を殺害したと主張している。

AP通信はこの地域に拠点を置く反政府勢力幹部の話しとして、「トゥアレグ族のゲリラ部隊はアルジェリア国境付近で2日間続いた戦闘に勝利し、陸軍とワグネル部隊を全て撃退した」と伝えている。

それによると、この地域に展開された軍政とワグネル部隊は甚大な被害を受け、壊滅したという。数十人が投降したという情報もある。

軍政と対立する反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」は声明を出していない。

MNLAはトゥアレグ族の若者で構成され、独自に策定した北部地域の平和・安全・開発のための恒久的戦略枠組み(CSP-PSD)に基づき、「アザワド」という独立国家の建設を目指している。

西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置く国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

この3カ国の軍政は旧宗主国のフランスとの関係を断ち、ロシアに接近。マリ軍政はワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。

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