◎マリは2012年以来、イスラム過激派による反乱の封じ込めに苦闘してきた。
2022年9月22日/マリ、首都バマコ、ゴイタ大佐(中央)と兵士たち(AP通信)

西アフリカ・マリで18日、軍事政権が起草した新憲法草案の是非を問う国民投票が行われた。

批評家たちはこの投票を「軍政の延命措置」と呼び、深刻な懸念を表明している。

2020年の軍事クーデターを率いたゴイタ(Assimi Goita)大佐は17日に放送されたテレビ演説で憲法草案について、「三権のバランスを保つ完璧に組織化された憲法であり、国民に恒久的な平和を提供することができるだろう」と主張した。

首都バマコの投票所で投票した男性はAP通信の取材に対し、「国が正しい方向に進んでいると確信している」と語った。「この新憲法は国に平和をもたらします。私たちの平和を確立する取り組みは欧米ではなく、私たち自身で決めるのです...」

草案は二院制を導入するとしている。また大統領の権限が大幅に強化され、物議を醸している。

1992年に制定された現行憲法は「政府が国家の政策を決定する」と明記している。新憲法は「大統領が国家の政策を決定、実施する」としている。

マリは2012年以来、イスラム過激派による反乱の封じ込めに苦闘してきた。この紛争に巻き込まれ死亡した民間人は数万人と推定され、数百万人が難民になった。

ゴイタ氏が政権を握って以来、マリと欧米諸国の関係は劇的に悪化。欧米は軍政がロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結んだことに深刻な懸念を示している。

軍政はこの数カ月で国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)の活動を大幅に制限。この結果、ドイツ、イギリス、スウェーデン、ベナン、コートジボワールなどの国々がこのPKOから部隊を撤退させると表明した。

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