マリ軍政が武装勢力80人殺害=国営メディア

マリとその隣国ブルキナファソおよびニジェールは10年以上にわたってアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
アフリカ西部・マリ、陸軍のパトロール部隊(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・マリの軍事政権は1日、同国各地の軍事拠点に対する同時多発的なテロ攻撃を受け、80人の武装勢力を殺害したと明らかにした。

軍政の報道官は国営テレビが放送した演説で、「敵は治安・防衛部隊と交戦したすべての場所で重大な損害を被った」と語った。

また報道官はイスラム過激派とみられる兵士の遺体、その武器、バイク、車両の映像も公開した。

国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)は先月初め、各地の軍事拠点に協調攻撃を仕掛け、3つの兵舎と数十の拠点を制圧したと主張していた。

ロイター通信は情報筋の話しとして、「軍とJNIMの戦闘は中部と西部にある7つの町で発生した」と伝えていた。

マリとその隣国ブルキナファソおよびニジェールは10年以上にわたってアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

3カ国は軍事クーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討している。

3カ国では5月初めから基地や町で反乱勢力による襲撃が相次ぎ、400人を超える兵士が殺害されている。

JNIMは5月31日と6月1日にマリ北部の世界遺産都市トンブクトゥにある軍事基地を襲撃したとされる。

この襲撃では30人を超える兵士が殺害されたとみられる。

軍政は今月初めの声明で、「テロリストは軍部隊の防衛網に屈し、撤退を余儀なくされた」と述べたが、死傷者には言及しなかった。

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