◎首都アンタナナリボの通りに集まった数百人はバリケードを設置し、機動隊に石を投げつけ、タイヤに火を放ち、店舗を略奪した。
2022年8月29日/マダガスカル、首都アンタナナリボ(Liu Fang/AP通信)

アフリカ南東部・マダガスカルの首都アンタナナリボで11日、野党を支持するデモ隊と機動隊が衝突した。

大統領選に立候補した野党候補13人のうち11人が今月16日に予定されている選挙を現職に有利な「非合法選挙」などと呼び、1カ月以上前からアンタナナリボなどで無許可デモを続けている。

ラジョエリナ(Andry Rajoelina)大統領はデモが暴動に発展したことを「野党の責任」と糾弾している。

アンタナナリボの通りに集まった数百人はバリケードを設置し、機動隊に石を投げつけ、タイヤに火を放ち、店舗を略奪した。

機動隊はデモ隊に催涙ガス弾を撃ち込み、30分ほどで解散させた。

地元メディアの取材に応じた男性は「法律を尊重しない無能な政府を倒す必要がある」と語った。

別のデモ参加者は「米国はラジョエリナに圧力をかけろ」と叫んだ。

警察によると、11人が公務執行妨害などで逮捕されたという。赤十字社は機動隊の取り締まりでデモ参加者11人が軽傷を負ったと報告している。

EUのボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表は11日、マダガスカルの政治・治安情勢が悪化していることに深い懸念を表明した。

ボレル氏はマダガスカル政府に対し、公正な選挙を保障するよう強く求めた。

大統領選第1回投票は当初、11月9日に行われる予定だったが、16日に延期。過半数を獲得する候補がいなかった場合は12月20日の決選投票で勝者を決める。

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