◎サイクロン・エムナチは23日未明に東部沿岸に上陸し、南西に進んだのち温帯低気圧に変わった。
2022年2月25日/マダガスカル、東部マナンジャリの集落近く(Getty Images/AFP通信)

2月25日、マダガスカル政府は23日に東部と南部に上陸したサイクロン・エムナチにより、これまでに少なくとも4人の死亡を確認し、数万人が避難を余儀なくされたと発表した。

地元メディアによると、サイクロン・エムナチは23日未明に東部沿岸に上陸し、南西に進んだのち温帯低気圧に変わったという。上陸時の最大風速は35~40m/sだった。

マダガスカル国家危機管理局は声明の中で、南東部の海岸沿いの町で少なくとも4人の死亡を確認し、地域の住民約72,000人が影響を受けたと明らかにした。

一部地域の24時間雨量は400mmを超えたと伝えられており、洪水、土砂崩れ、橋の崩壊などが報告されている。

マダガスカルに今年上陸したサイクロンは今回のエムナチで4つ目。エムナチは200人近い死者を出した3つのサイクロンより強力になると予想されていたが、上陸前に勢力を弱めた。

1月末に上陸したサイクロン・アナはマダガスカルだけでなくモザンピークやマラウイにも大きな被害をもたらした。

今月初めに上陸したサイクロン・バツィライの死者は120人を超え、政府によると、東部や中部の住民少なくとも14万人が避難を余儀なくされたという。影響を受けた家屋は数千戸と伝えられているが、被害の全容は分かっていない。

先週上陸したサイクロン・ドゥマコはアフリカ南部に大雨をもたらし、少なくとも14人が死亡、5,000人近くが避難した。

世界で最も貧しい国のひとつであるマダガスカルは、毎年11月から4月に多くのサイクロンに見舞われ、何度も大きな被害を受けている。国連気象局によると、今年も5月頃までに12~15個のサイクロンが発生する可能性が高いという。

現地メディアによると、首都アンタナナリボやその他の町に避難した数千人の生活環境は日を追うごとに悪化しており、一部の地域では飢饉に発展する可能性もあるという。

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