◎被災者は57万人以上と推定されている。
2022年1月29日/マダガスカル、首都アンタナナリボ(Getty Images/AFP通信)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は1日、アフリカ南部マダガスカルで今年1月から4月の間に発生したサイクロン災害の死者は少なくとも214人に達し、57万人以上が影響を受けたと報告した。

OCHAは声明の中で、「1月~4月の間にマダガスカルに上陸した6つのサイクロンは沿岸部を中心に大きな被害をもたらし、少なくとも214人が死亡、推定57万1000人が被災した」と述べている。

1月に上陸したサイクロンアナ(Ana)は北部の沿岸と中部に深刻な被害をもたらし、少なくとも55人が死亡、13万人以上が避難を余儀なくされ、数千人が自宅を失った。

2月には巨大サイクロンバチライ(Batsirai)とエムナチ(Emnati)が立て続けに東海岸を襲った。バチライの被害は甚大で、数千戸の家屋が全壊し、市内の農作物はほぼ壊滅。食料不安を引き起こした。この2災害の死者は130人以上、被災者は42万3000人と推定されている。

さらに、この2つのサイクロンの間に発生した暴風雨でも14人が死亡している。

3月初旬のサイクロンゴンベ(Gombe)は大きな被害をもたらさなかったが、4月末のジャスミン(Jasmine)では少なくとも5人が死亡、5000人近くが被災した。

北部と中部が暴風雨に見舞われる一方、南部では広い範囲で干ばつが発生し、農作物が壊滅的な被害を受けた。ユニセフによると、干ばつに見舞われた南部の耕作地は2月末時点で60%を超えていたという。

OCHAは「サイクロンは多くの被害をもたらしたが、一部地域の干ばつを解消し、食料不安はある程度落ち着きつつある」と報告した。ただし、郊外の貧しい地域では急性栄養失調などが複数報告されているという。

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