◎ラジョエリナ大統領は14日深夜の記者会見で発令に至った経緯を説明した。
2023年11月1日/マダガスカル、首都アンタナナリボ、与党の大統領選集会(ロイター通信)

マダガスカル当局は14日、大統領選第1ラウンドに先立ち、首都アンタナナリボ全域に夜間外出禁止令を発令すると発表した。

それによると、期間は15日18時~16日4時。第1ラウンドの投票日は16日6時~20時、即日開票される。

ラジョエリナ(Andry Rajoelina)大統領は14日深夜の記者会見で発令に至った経緯を説明。「アンタナナリボで14日夕方に発生した暴動や様々な妨害行為を鑑み、夜間外出禁止令の発令を決めた」と語った。

アンタナナリボの選挙管理委員会は「複数の投票所が焼き討ちに遭った」と報告している。負傷者が出たかどうかは明らかになっていない。

地元テレビ局は警察筋の話しとして、「野党デモに参加した数人が選管事務所に侵入し、投票所で使用する事務用品を略奪した」と伝えている。

有権者約1100万人はラジョエリナ氏を含む13人の候補から次期大統領を選ぶことになる。最新の世論調査によると、第1ラウンドで過半数を獲得できそうな候補はいない。

過半数を獲得する候補がいなかった場合は12月20日の決選投票で勝者を決める。

野党候補12人のうち10人が第1ラウンドに投票しないよう有権者に呼びかけている。ある野党候補はX(旧ツイッター)にこう投稿している。「選管とラジョエリナはグルだ。野党票はすべてラジョエリナに書き換えられるぞ」

憲法裁判所は先月、フランスとの二重国籍であるラジョエリナ氏が大統領選に立候補するのは違憲であるという野党の訴えを退けた。

野党はこの判決に激怒し、有権者に「抵抗運動」を開始するよう要請。アンタナナリボなどの都市部でデモが暴動に発展し、負傷者が出る事態となった。

野党は先月初め頃からデモを呼びかけている。機動隊は暴徒化した支持者に催涙ガス弾を撃ち込み、数十人を逮捕した。

野党は米国を含む西側諸国に介入を求めている。

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