◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカの亡命希望者の中継地になっている。
イタリア沖、アフリカの亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

北アフリカ・リビアの裁判所が移民の人身売買に関与したとされる被告3人に有罪判決を言い渡した。現地メディアが8日に報じた。

それによると、首都トリポリの地方裁判所は人身売買、移民の拘束、拷問、恐喝などの罪で3人に実刑を言い渡したという。

北アフリカ諸国の裁判所が移民関連の裁判で人身売買業者に有罪を言い渡したのは初めて。

AP通信によると、判事は人身売買を主導したとされる男に終身刑、他の2人にそれぞれ懲役20年を言い渡したという。

3人の身元と国籍は明らかにされていない。トリポリ地検も声明を出していないようだ。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカの亡命希望者の中継地になっている。

人身売買業者は同国の不安定な情勢を利用して移民を密入国させ、北部の海岸付近に拠点を築いてきた。

そして、装備の整わないゴムボートなどに移民を詰め込み、イタリアやギリシャの島々を目指すのである。

国連や人権団体は何年も前から、地中海に送り出された数多くの移民が人知れず溺死していると警告してきた。

国連は今年3月、リビア国内で移民が非人道的な扱いを受けている証拠があると発表。リビア政府に人身売買組織の取り締まりと移民を保護する取り組みを強化するよう要請した。

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