◎警察によると、民間人少なくとも2人が死亡、多くが負傷したという。
リビア、首都トリポリの住宅地(Getty Images)

リビアの首都トリポリで27日、対立する2つの民兵組織が衝突した。

警察によると、民間人少なくとも2人が死亡、多くが負傷したという。AP通信は救急隊の話を引用し、「銃撃戦の影響で多くの地域に到達できず、死者はさらに増える可能性がある」と報じた。

AFP通信によると、戦闘を起こしたのは民兵組織「トリポリ革命旅団(Tripoli Revolutionary Brigade)」の戦闘員および支持者とみられる。この組織とトリポリに拠点を置く別のライバル組織が衝突したようだ。

トリポリ革命旅団はライバル組織の包囲網を突破、拠点を占拠し3人を拘束。車を数台押収したと伝えられている。

リビアの国連チームは27日、「市民が多数生活する地域で戦闘が発生した」と懸念を表明した。

国連の支援を受けるトリポリのドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)暫定首相は声明で、「トリポリ革命旅団と思われる民兵が別のライバル民兵に発砲し、戦闘が勃発した」と述べた。

この戦闘はドベイバ氏を支持するグループと、東部地域に拠点を置くもうひとつの政府を支持するグループの争いと考えられている。

ドベイバ氏と東部政府のバシャガ(Fathy Bashagha)暫定首相はどちらも民兵の支援を受けている。AP通信によると、バシャガ氏はこの数週間、ドベイバ氏を追放するためにトリポリ入りを目指していたという。

トリポリ政府は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会と国民を失望させ、東部政府の怒りを買った。

東部政府を率いるバシャガ氏はドベイバ氏に辞任を求めているが、ドベイバ氏は選挙で選ばれた勝者にのみ、権力を譲ると主張している。

国連は両政府に自制を求め、ジュネーブなどで仲介協議を行ったが、国政選挙に必要な憲法の枠組みで合意に達することはできず、混乱が収束する見通しは立っていない。

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