◎政治的な行き詰まりと争いは2つの政府を生み出し、混乱が収束する見通しは立っていない。
2023年2月17日/リビア、首都トリポリ、革命12周年を記念する集会(Getty Images/AFP通信)

リビアの首都トリポリで17日、革命12周年を祝うイベントが開催され、多くの市民が参加した。

街頭に集まった人々は市内を練り歩き、中央広場は国旗とイルミネーションで彩られた。

中央広場では音楽祭が開かれ、地元の歌手やバンドが出演。国連の支持を受ける暫定政府は軍事パレードを行い、イベントを盛り上げた。

家族連れで参加した男性はAFP通信の取材に対し、「2月17日の革命記念日を忘れたことはない」と語った。「私たちは国民に選ばれた政府が国をひとつにまとめてくれることを願っています...」

国連の支援を受けるドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相は2021年後半に予定されていた選挙を実施できず、国際社会を失望させた。

政治的な行き詰まりと争いは2つの政府を生み出し、混乱が収束する見通しは立っていない。

ドベイバ政権と対立するもうひとつの政府を率いるバシャガ(Fathy Bashagha)首相は東部の港町シルトに拠点を置き、2021年3月頃から権力闘争を続けている。

国連リビア特使は昨年末、深刻な分裂の兆候が見られると警告し、両指導者に選挙に必要な法整備を速やかに進めるよう求め、国際社会にさらなる支援を呼びかけた。

2011年2月17日、市民はアラブ社会で広がった抗議デモ(アラブの春)に触発され、行動を開始した。

カダフィ(Muammar Gaddafi)大佐を追放する民衆蜂起は西側の空爆で加速。米英仏を含む連合軍は同年3月19日、民間人を保護するという国連決議に基づき、カダフィ軍への攻撃を開始した。

同年3月31日、NATOがリビアの制空権を掌握。カダフィ大佐はその半年後に暗殺された。

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