◎デモ隊は国連の支援を受ける政府と東部政府に解散を求め、速やかに選挙を実施するよう訴えた。
2022年7月1日/リビア、東部トブルクの議会議事堂近くで行われた抗議デモ(Getty Images)

リビア東部トブルクの議会議事堂周辺で1日、政府と東部政府の対立に抗議するデモが行われた。

デモ隊は国連主導の仲介が破綻したことを嘆き、両政府に対立ではなく食料や燃料価格の高騰に対処するよう訴えた。

AP通信によると、デモ隊を率いる代表は両政府に解散を求め、速やかに選挙を実施するよう求めたという。

デモ隊は議会に押し入ろうとしたが、警察に阻まれ、市民1人が足を撃たれ負傷したと伝えられている。

ソーシャルメディアで共有された動画には議会周辺で怒号を上げるデモ隊の姿が映っている。AP通信によると、議会内に政府関係者はいなかったという。

選挙やインフレ対策を求めるデモは他の都市でも行われた。

国連の支援を受ける首都トリポリの政府は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会を失望させた。

東部地域に拠点を置くもうひとつの政府はトリポリ政府を非難し、暫定首相に元内相のバシャガ(Fathy Bashagha)氏を起用。トリポリ政府のドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)暫定首相に辞任を求めている。

両政府に自制を求める国連はジュネーズで仲介協議を行っていたが、国政選挙に必要な憲法の枠組みで合意に達することはできなかった。

トリポリ政府は軍人の立候補を禁じるよう求めている。これは東部と南部地域の支配者である元国軍将校のハフタル(Khalifa Haftar)司令官の大統領就任を防ぐための措置と見なされている。

リビアを統一する取り組みは暗礁に乗り上げ、行き詰まったように見える。

リビアは2011年にカダフィ(Moamer Kadhafi)大佐を討伐し、内戦に突入。東部政府の台頭を招いた。

東部政府はハフタル司令官の下で団結している。一方、トリポリ政府は国連の支援を受けつつ、民兵とも取引している。

デモ隊は両政府に、対立ではなく経済状況の悪化に目を向けるべきと指摘している。トリポリの議会近くに集まったデモ隊数百人は電力・ガス・食料の不足と価格高騰に抗議した。

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