◎アフリカ大陸の亡命希望者はリビアやチュニジアの海岸から頼りないボートに乗り、欧州(主にイタリア)の海岸を目指す。
イタリア沖、亡命希望者たち(Getty Images)

国連の国際移住機関 (IOM)は15日、リビア沖で亡命希望者少なくとも80人を乗せたボートが沈没し、73人が死亡したと推定されると発表した。

IOMによると、ボートは14日に転覆し、これまでのところ7人しか救助されていないという。

IOMは事故を「悲劇」と呼び、犠牲者に哀悼の意を表したうえで、国際社会に移民保護の取り組みを加速させるよう強く呼びかけた。

リビア赤十字社によると、ボートは首都トリポリの東方75kmにある港を出発し、欧州に向かっていたという。

赤十字社と地元警察はこれまでに11人の遺体を収容したと報告している。救助された7人は医療機関に搬送された。

アフリカ大陸の亡命希望者はリビアやチュニジアの海岸から頼りないボートに乗り、欧州(主にイタリア)の海岸を目指す。

地中海は世界で最も多くの死者を出している亡命ルートであり、IOMは今年に入ってから確認できているだけで130人が死亡したと報告している。

昨年の死者数は確認できているだけで1450人。専門家はこれよりはるかに多くの移民が行方不明になったと推定している。

2014年のシリア難民危機以降に地中海で死亡した移民は確認できているだけで1万7000人以上にのぼる。

リビアは近隣諸国や中東の紛争・貧困から逃れてきた移民の中継地になっている。

人権団体やNGOなどによると、女性や子供を含むリビアに送還された人々は政府が運営する不衛生な拘置所に収容され、拷問、レイプ、虐待に直面しているという。

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