◎リビアはアフリカと中東の戦争から逃れた人々の主要な中継地になっている。
2017年2月3日/リビア北部の地中海、移民希望者を乗せたボート(Getty Images/AFP通信)

3月12日、リビア沖の地中海で欧州への移住を希望する移民23人を乗せたボートが転覆した。

リビア沿岸警備隊によると、少なくとも1人が死亡、19人が行方不明になったという。3人は救助され病院に搬送された。

23人はエジプト人とシリア人で構成され、12日にリビア東部のトブルクから出航したと伝えられている。地元メディアによると、沿岸警備隊は捜索活動を続ける方針だという。

より良い生活を夢見る多くの移民希望者が北アフリカから欧州を目指そうとするが、地中海の荒波を越えて対岸にたどり着ける者は少ない。

リビアはアフリカと中東の戦争から逃れた人々の主要な中継地になっている。

近年、人身売買組織はリビアの混乱に乗じて利益を上げており、貧しい人々からお金を巻き上げ密入国させている。

リビアの海岸に移送された移民希望者たちは脆弱なゴムボートに詰め込まれ、危険な海の旅に出発する。

国際移住機関(IOM)によると、2022年1月~2月末の間に少なくとも192人の移民希望者が地中海ルートで溺死し、2,900人以上が拘束され、リビアに連れ戻されたという。

リビアに戻された人々は虐待や不当な扱いが横行する国営の拘置所に連行される。

2021年には少なくとも32,000人が海上で拘束され、リビアに戻された。IOMによると、昨年地中海で溺死した移民は1,500人以上と推定されている。

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