◎リビアは2011年のカダフィ大佐討伐以来、権力闘争・混乱・暴力から抜け出せずにいる。
リビア、イスラム国の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

リビア政府は2日、中部の港町シルトで集団墓地を発見し、42人に遺体を収容したと発表した。

シルトは独裁者カダフィ(Muammar Gaddafi)大佐の出身地として知られ、2015~2016年にかけてイスラム国(ISIS)の支配下に置かれていた。

政府報道官は声明で、「ISIS戦闘員の供述を受け市内を調査した結果、学校跡地で集団墓地を発見した」と説明した。

旧リビア統一政府を支持する民兵は2016年12月、シルトを奪還した。刑務所にはISISの戦闘員とされる数百人が収監されており、その多くが裁判を待っている。

報道官によると、42人の遺体は近くの医療機関に移されたという。警察はDNA検査を行い、42人の身元を特定するとしている。

また報道官は今年5月にもシルト市内で11人の遺体を収容したと明らかにした。

リビアでは近年、全国で集団墓地が発見されている。2018年12月にはシルト近郊で30人以上の遺体が掘り起こされた。この遺体はISISが数年前に処刑したエチオピアのキリスト教徒と伝えられている。

西部タルフナでも数百人の遺体が見つかっている。この町は2020年6月まで東部と南部地域の支配者である元国軍将校のハフタル(Khalifa Haftar)司令官の支配下に置かれていた。

リビアは2011年のカダフィ大佐討伐以来、権力闘争・混乱・暴力から抜け出せずにいる。

首都トリポリを含む主要都市ではこの数カ月、国連公認政府を支持する民兵と東部政府を支持する民兵の衝突が続いている。

トリポリに拠点を置くドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会と国民を失望させた。ドベイバ氏は東部政府の退陣要求を拒否している。

東部政府を率いるバシャガ(Fathy Bashagha)首相は北東部ベンガジに拠点を置いている。

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