◎今回の噴火により被害額は9億ユーロ(約1,150億円)以上にのぼると見込まれている。
12月25日、スペイン領カナリア諸島政府は、ラ・パルマ島の火山活動が終息したと宣言した。
ラ・パルマ島の南に位置するクンブレ・ビエハ山は9月19日に噴火した。当局によると、7,000人以上が避難を余儀なくされ、約3,000軒の建物が被害を受けたという。死傷者は報告されていない。
カナリア諸島の火山緊急委員会の責任者であるフリオ・ペレス氏は記者団に、「地震と噴火活動は終息したが、島の緊急事態は終わっていない」と述べ、復興に向けた取り組みの重要性を強調した。「島民は安堵と希望に包まれています。政府は復興作業に集中しなければなりません」
溶岩は建物だけでなく島の重要な収入源のひとつであるブドウ園やバナナ園などを飲み込み、灌漑(かんがい)システムを破壊し、道路を遮断した。
ペレス氏によると、今回の噴火により被害額は9億ユーロ(約1,150億円)以上にのぼると見込まれているとう。
カナリア諸島政府は10月に復興計画を発表したが、噴火活動はその後も続き、取り組みは思うように進んでいなかった。スペイン政府も多くの支援を提供している。
当局によると、12月13日以降、クンブレ・ビエハ山周辺で地震は観測されていないという。
スペインのペドロ・サンチェス首相は終息宣言を「最高のクリスマスプレゼント」と呼び、危機に立ち向かったすべての島民と関係者を称賛した。「私たちはすべての機関と力を合わせてラ・パルマ島を再建します...」
溶岩は島の南西部から大西洋に流れ出し、島のサイズを少し大きくし、海水を沸騰させ、有毒ガスを放出した。ガスの影響で多くの島民が自宅待機を余儀なくされたが、当局によると、ガスを吸い込み体調を崩したという報告は確認されていないという。
ラ・パルマ島は北アフリカを代表する人気観光地のひとつで、毎年多くのヨーロッパ人観光客を受け入れている。主要産業は農業と観光業。人口は約85,000人。