◎オディンガ氏の支持者はSNSに不満をぶちまけ、ルト氏の就任を阻止するという者まで現れた。
2022年9月5日/ケニア、首都ナイロビ、最高裁判事の記者会見(Ben Curtis/AP通信)

ケニアの最高裁判所は5日、先月の大統領選結果に異議を唱えた野党党首オディンガ(Rila Odinga)議員の訴えを退けた。

これでルト(William Ruto)副大統領の勝利が確定した。

<ケニア2022大統領選>
▽ウィリアム・ルト 7,176,141票(50.5%)
▽ライラ・オディンガ 6,972,930票(48.5%)
▽その他2候補 90,956票(0.6%)

一部のオディンガ支持者は最高裁の決定に即座に反応。ケニアの運命を決める頂上決戦が始まると示唆した。

極端な支持者はオディンガ氏を「王者」と呼び、次の指令を待っているようだ。

首都ナイロビの飲食店で最高裁の記者会見を見た男性はAFP通信の取材に対し、「ルトは副大統領時代から汚職を容認し、私腹を肥やしてきた」と主張した。「私たちは政治家が私腹を肥やすところをずっと見てきました。私はオディンガ大統領と一緒に戦うつもりです。相手が国軍でも関係ありません」

地元メディアによると、オディンガ氏は西部地域で絶大な支持を集めている。同氏は選挙管理委員会が票を操作したと主張し、最高裁に異議を申し立てた。

しかし、最高裁はオディンガ氏の訴えを全会一致で退け、選挙管理委員会の委員4人が開票結果公表当日に異議を唱えるという珍騒動を非難した。

最高裁は判決の中で、「4人は暴力に巻き込まれたくないという自分勝手な考えで結果に異議を唱え、責任逃れした」と述べている。

ルト氏の勝利を認めた委員3人は公表日の大乱闘に巻き込まれ、オディンガ氏の支持者に殴られた。

オディンガ氏の支持者はSNSに不満をぶちまけ、ルト氏の就任を阻止するという者まで現れた。

あるツイッターユーザーはこう呼びかけた。「我々はルトを大統領と呼ばず、王者オディンガを大統領と呼びます。ケニアはアフリカ史上初めて2人の大統領を持つ国になるのです」

別のツイッターユーザーは、「オディンガ王国の分離独立を目指す時が来た」と投稿している。「武器を取れ、英雄たちよ!」

ケニアは東アフリカで最も活気に満ちた経済大国だが、貧しい地域の住民数百万人は食料の確保もままならず、餓死しかけている。

ルト氏は9月13日に第5代大統領に就任する予定。

2022年9月5日/ケニア、首都ナイロビ、最高裁の判決を歓迎する人々(Ben Curtis/AP通信)
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