◎ケニア警察の先発隊は先月25日に首都ポルトープランスに到着。バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャド、ジャマイカの警察・陸軍と連携して、ハイチ国家警察を支援する。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランス、武装ギャング「G9&Family」の戦闘員(Matias Delacroix/AP通信)

国連ハイチPKOを率いるケニア国家警察の責任者が8日、ギャングを打ち負かし、ハイチの平和を取り戻すと表明した。

ケニア警察の責任者は全国放送された記者会見で、「失敗は許されず、この国の平和と治安を取り戻すという目標にコミットしている」と語った。

ケニア警察の先発隊は先月25日に首都ポルトープランスに到着。バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャド、ジャマイカの警察・陸軍と連携して、ハイチ国家警察を支援する。その規模は約2500人になる予定だ。

ケニア警察の責任者は会見の中で、「我々はハイチ当局および国外のパートナーと緊密に連携し、目標を達するつもりだ」と語った。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

一部の国民は国連PKOミッションに不安を感じている。

コニーユ(Garry Conille)首相は最近、過去の国連PKOがうまく機能せず、同国の主権と地域社会の慣例が無視されたと感じる市民が多くいると認めた。

米国はこのミッションに3億ドル以上を拠出すると約束しているが、多くの活動家や人権団体がケニア警察がPKOを率いることに不満を表明していた。

ケニア警察は最近の抗議デモ鎮圧を含め、長い間、暴力的な取り締まりで非難されてきた。

地元メディアによると、ポルトープランスの住民の多くが今のところ、PKOの到着を歓迎しているようだ。

ケニアは約1000人の警察官を派遣すると約束。うち200人が現地入りした。

コニーユ氏は先週、国連安全保障理事会で「次の部隊がまもなく到着する」と明らかにしていた。

ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。

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