◎ケニヤッタ大統領は、首相を含む新しい閣僚ポストと省庁を創設したいと考えている。
2022年2月18日/ブリュッセルで開催されたEU・アフリカ連合首脳会議、ケニアのケニヤッタ大統領(Johanna-Geron/Pool/ロイター通信)

ケニアの最高裁判所は31日、ケニヤッタ大統領の憲法を改正しようとする試みは違憲であると裁定した。

ケニヤッタ大統領は「ビルディング・ブリッジ・イニシアティブ(BBI)」と呼ばれる政治改革のひとつとして、首相を含む新しい閣僚ポストと省庁を創設し、議会の議席数を290から360に増やしたいと考えている。

地元メディアによると、最高裁判事7人のうち6人が、「民衆の支持を集めるという理由で憲法を改正すべきではない」と裁定し、行政権を拡大するというケニヤッタ大統領の提案に反対した。

しかし最高裁は、大統領ではなく議会または他の機関などがBBIを主導すれば、法律を改正できる可能性を残した。

閣僚ポストを増やすという提案はケニアの政治を分断した。

ケニヤッタ大統領はこの改革が政治をより包括的にし、選挙の都度発生する暴力を終わらせることができると主張している。

高等裁判所と控訴裁判所も昨年、改正案に反対する判決を下した。

控訴裁判所の判事は、ケニヤッタ大統領はこのプロセスを開始すれば民事訴訟を起こされる可能性すらあると裁定した。

しかし、最高裁はこの考えには反対する判決を下した。

最高裁は、「大統領の改革が違憲であったとしても、大統領または大統領の職務を遂行する者に対して民事訴訟を起こすことはできない」と裁定した。

ルト副大統領を含むBBIの反対派は、「ケニヤッタ大統領は新しいポスト(首相)に就き、権力を維持しようとしている」と非難している。

ルト副大統領は8月の大統領選に立候補する予定。ケニアの憲法は大統領の3選を認めていないため、ケニヤッタ大統領は任期満了日をもって退任する。

スポンサーリンク