◎警察当局は遺体の身元を特定するためのDNA鑑定を続けている。
2024年3月26日/ケニア、南東部キリフィ、マリンディの警察署前、遺体の引き渡しを待つ遺族(ロイター通信)

ケニア政府は26日、終末カルトに洗脳され餓死したとみられる信者429人の遺体を遺族に引き渡す手続きを開始した。

南東部キリフィに拠点を置くグッドニュース・インターナショナル教会の牧師ヌセンゲ(Paul Mackenzie Nthenge)被告は昨年、「断食すればイエス・キリスト(Jesus Christ)に会える」と信者を洗脳し、数百人を殺害したとして逮捕・送検された。

警察当局は世界に衝撃を与えた終末カルトの犠牲者を429人確認。その大半が教団敷地内の集団墓地で発見された。

ヌセンゲ被告は殺人を含む複数の罪に問われている。

一方、警察当局は遺体の身元を特定するためのDNA鑑定を続けている。

地元メディアによると、マリンディの警察署で26日、最初の遺体が遺族に引き渡されたという。

7人の家族を失ったという父親はAP通信の取材に対し、「あの霊きゅう車に私の娘が乗っている」と泣きながら語った。

ヌセンゲ被告と数十人の関係者は今年1月、191人の子供を拷問、殺害した罪で起訴された。この裁判は来月始まる予定だ。

地元メディアによると、教会の敷地内で死亡したと認定された子供191人の大半の遺体がまだ見つかっていない。警察は広大な敷地内で捜索活動を続けている。

内務省はグッドニュース・インターナショナル教会を犯罪組織に指定。国内での活動を禁じた。

ヌセンゲ被告は昨年12月、無許可でスタジオを運営し、映画を配給した罪で懲役18カ月の実刑判決を受けた。控訴審の日程は決まっていない。

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