◎ケニア西部、ソイサンプ保護区に生息している絶滅危惧種の「ロスチャイルド」3頭が送電線に接触し、感電死した。
2016年2月27日 Getty Images/ケニア、ナクル湖国立公園、「ロスチャイルド(種)」と呼ばれるキリン

報告によると、ケニア西部の保護地域内で3頭の希少なキリンが送電線に接種し感電死したという。

送電線を管理するケニア電力照明会社は2月22日のプレスリリースで、ソイサンプ保護区に生息している絶滅危惧種の「ロスチャイルド」3頭が送電線に接触し、感電死したことを公表した。ソイサンプ保護区の広さは約48,000エーカーで、希少な野生動物が多数生息している。

ロスチャイルドはケニアとウガンダの保護地域に生息する珍しい種で、ウガンダキリンと呼ばれている。保護団体によると、2016年時点の個体数は1,600頭ほどで、南スーダンおよびコンゴ民主共和国北東部に生息していた個体は絶滅したという。

国内の野生動物を保護しているケニア野生生物公社は声明の中で、「2頭は21日に同じ場所で感電死した」と述べた。なお、もう1頭が死んだ日は明らかにされていない。

事故を受け、ケニア電力照明会社は、「ソイサンプ保護区の送配電設備のクリアランス(離隔距離)を強化するプロセス」および、「ケニア野生生物公社などの関係機関と協力して保護地域内のインフラ全体の監査」を開始すると発表した。

ケニア電力照明会社のバーナード・ヌグギCEOは、「野生生物はケニアの自然と文化に欠かせない存在であり、私たちにはキリンなどの野生動物を保護する義務があります。この問題に関する情報を提供してくれた利害関係者に感謝し、より安全なインフラの構築を目指していきます」と述べた。

バーナード・ヌグギCEO:
「すべての事業で最高の安全を確保することが私たちの使命です。今回の事故を検証し、野生動物に優しいインフラの構築と再発防止対策を確立します」

一方、保護地域内のインフラ設備に異議を唱えているポーラ・カハンブ氏は、キリン、ハゲタカ、フラミンゴなどが送電線に接触し、命を落としているとツイートした。

ポーラ・カハンブ氏:
「専門家のアドバイスは無視されています。一部の人々を目覚めさせるために貴重な種が命を落とすことはとても悲しいことです!」

ケニア野生生物公社によると、ケニア国内で生息が確認されたロスチャイルドは600頭ほどだという。

ロスチャイルドは2010年に国際自然保護連合のレッドリストで危機的な状況にある「絶滅危惧種(CR)」に分類されたが、現在は個体数の増加に伴い絶滅のリスクが高い「絶滅危惧種(EN)」に分類されている。

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