◎救助された1100人以上はカラブリア州とシチリア州に搬送された。
2022年7月23日/リビア沖、亡命希望者とイタリアの沿岸警備隊(Nora Boerding/Sea-Watch/AP通信)

イタリアの沿岸警備当局は24日、リビア沖の地中海で亡命希望者674人を救助したと発表した。当局によると、674人は漁船に詰め込まれ、5人の遺体も合わせて収容したという。

同日、欧州の慈善団体「SOS Mediterranée」もリビア沖で500人以上を救助したと報告した。

地元メディアによると、この救助作戦にはイタリア海軍、沿岸警備隊の巡視船、警察の巡視船とヘリコプターなどが参加したという。救助された1100人以上はカラブリア州とシチリア州に搬送された。

亡くなった5人の死因は明らかにされていない。

イタリア沿岸警備隊によると、アフリカ北部からEUへの亡命を求める人の数は増加傾向にあり、この数日で多くのボートを救助したという。あるケースでは女性をドクターヘリで医療機関に搬送している。

ドイツの慈善団体「シーウォッチ(Sea-Watch)」も地中海で移民の救助支援に当たっており、この数日で444人を救助したと発表した。

シーウォッチの広報担当によると、直近24時間で5つの作戦を実施し、救助された人の中には妊婦や重度の火傷を負った人もいたという。

シーウォッチは救助した人々を安全な港に運ぶとし、当局に入港許可を求めている。

慈善団体SOS Mediterranéeによると、救助したボートのひとつには同伴者のいない未成年数十人が乗船していたという。救命胴衣を着用している人はいなかった。

今年1月から7月22日の間にイタリアのシチリア島などに到着した亡命希望者は3万4000人を超え、昨年同期間の4倍近くに増加した。

地元メディアによると、この数は2015年のシリア難民危機時に比べると少ないという。

リビア北部からEUに向かうルートは極めて危険で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年上半期の死者・行方不明者は分かっているだけで1200人以上にのぼる。

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