◎ブルキナ軍はイスラム過激派の暴力に対処できず、国土の4割を失ったと推定されている。
ブルキナファソの軍事政権は16日、ロシアの民間軍事企業ワグネルを雇ったというガーナ大統領の告発に激怒し、駐ガーナ大使を召還した。
ガーナのアクフォアド(Nana Akufo-Addo)大統領は14日、米・アフリカ首脳会議の中で、ブルキナ軍とワグネルが契約を結んだと明らかにした。
アクフォアド氏はブルキナが契約を結んだことに深刻な懸念を表明した。
ブルキナ軍はイスラム過激派の暴力に対処できず、国土の4割を失ったと推定されている。
マリ北部を中心とするサヘル地域で進行中の紛争は激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になっている。マリ、ニジェール、ブルキナで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。
過激派はブルキナ軍への攻撃を加速させ、首都ワガドゥグーに近づいているとされる。
マリの軍事政権もワグネルと契約を結び、虐殺を働いていると非難されている。
トラオレ(Ibrahim Traore)大尉率いる反乱軍は今年9月、大統領のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐を追放。今年2回目の軍事クーデターを引き起こした。
ワグネルがトラオレ氏の大統領就任を祝福したことで、「ブルキナとワグネルが契約を結ぶのではないか」という憶測が高まっていた。
ブルキナとマリは旧宗主国であるフランスとの関係を断ち切っている。
トラオレ氏は就任演説で過激派から領土を取り戻し、2024年7月に民主的な選挙を実施すると約束した。
報道によると、ブルキナ軍はアクフォアド氏の発言を受け、駐ガーナ大使を召還し、説明を求めたという。
アクフォアド氏はサミットの中で「ブルキナがワグネルと契約を結び、支払いの一環として、北部にある金鉱山の権利を与えた」と明らかにした。
軍は国内で10年以上活動してきたロシア企業ノルドゴールド(Nordgold)に金鉱山の採掘権を与えたとされる。ブルキナはアフリカ大陸最大の金生産国のひとつである。
一方、ガーナ当局によると、この数週間でブルキナの市民数百人がイスラム過激派の攻撃を恐れ、ガーナ北部に逃げ込んだという。
報道によると、ブルキナ軍とワグネルが契約を結んだ証拠は今のところ確認できていないという。
サヘル地域で10年近く過激派と戦ってきた仏軍は、マリがワグネルと契約を結んだことを受け、マリから部隊を完全撤退させた。仏軍はニジェールに拠点を移し、活動を続けている。
ワグネルはマリ、リビア、中央アフリカ共和国、スーダン、モザンビークなど、少なくとも6つのアフリカ諸国で足場を築いている。