◎ニジェールには約1500人の仏兵が駐留している。
マリ、サヘル地域で活動するフランス軍の兵士(Getty Images)

フランス軍は20日、西アフリカ・ニジェールに展開している部隊を年末までに完全撤退させると発表した。

ニジェールには約1500人の仏兵が駐留している。

サヘル地域に拠点を置く駐仏軍参謀本部は声明で、「マクロン(Emmanuel Macron)大統領の指示により、12月31日までにニジェールから部隊を完全撤退させる」と明らかにした。

フランスはこの地域の旧宗主国であり、10年ほど前からニジェール、マリ、ブルキナファソ、チャドなどと連携して対テロ作戦を主導してきた。

サヘル地域には仏軍の兵士が数千人駐留している。

ニジェールの大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

軍政はその後、駐仏軍に撤退を要求。撤退任務は先週始まった。

ニアメで記者団の取材に応じた軍政の報道官は「20日時点で仏兵282人が出国した」と明らかにした。

それによると、武器や通信機器類の搬出作業はまだ始まっておらず、準備が進められている段階だという。

軍政の報道官は「駐仏軍の装備品などを積んだコンテナ2500個を国外に輸送する予定である」と述べた。

地元メディアによると、ニジェールから撤退した最初の駐仏兵は10日間の道のりを経て、19日に隣国チャドの首都ンジャメナに到着したという。

ンジャメナにはサヘル地域全体を統括する仏軍の司令部があり、約1000人の部隊が駐留している。

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