◎この協定はEUとエジプトの関係を深化させるものであり、重要な一里塚である。
2024年3月17日/エジプト、首都カイロ、シシ大統領(右)と欧州委員会のフォンデアライエン委員長(ロイター通信)

EUの首脳が17日、エジプトの首都カイロを訪問し、シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領と会談。新たな経済協定を結んだ。

会議にはEUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長やイタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相、ギリシャ、ベルギー、オーストリア、キプロスの首脳らが出席した。

シシ大統領は会議後の記者会見で、「この協定はEUとエジプトの関係を深化させるものであり、重要な一里塚である」と強調した。

カイロのEU代表部によると、EUはこの協定に基づき、今後3年間で約74億ユーロ(1兆2000億円)を融資または投資する。

うち約50億ユーロは金融分野に投入される予定だ。

エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、コロナウイルスの流行、ウクライナ戦争、そしてガザ紛争の影響を強く受け、インフレが加速。人口の大多数を占める低中所得者層が食料の確保に苦労している。

エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、その多くをウクライナとロシアから輸入してきた。

EU首脳は共同声明で、「双方はこれまでの関係を包括的なパートナーシップのレベルまで深化させ、経済・非経済分野における協力拡大の道を開いた」と強調した。

また「EUはエジプトを信頼できるパートナーとして、また、地中海、近東、アフリカ地域における安全保障、平和の柱として、その地政学的役割を認識している」と述べた。

シシ大統領は各国の首脳とも個別に会談し、移民問題やガザ紛争への対応などについて協議した。

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