◎エチオピアを含む東アフリカ諸国はこの40年で最悪の干ばつに見舞われており、数千万人が食料支援を求めている。
2021年5月11日/エチオピア、北部ティグライ州の診療所(Ben Curtis/AP通信)

エチオピアの反政府武装勢力「オロモ解放軍(OLA)」は17日、干ばつによる食料不足で飢餓が拡大していることを受け、政府に人道的休戦を提案した。

OLAは中部オロミア州に拠点を置き、国軍と数十年に渡って死闘を繰り広げている。政府はOLAをテロ組織に指定している。

エチオピアを含む東アフリカ諸国はこの40年で最悪の干ばつに見舞われており、数千万人が食料支援を求めている。

OLAの報道官はフェイスブックに投稿した声明で、「人道機関の支援物資輸送を円滑に行うため、政府に人道的休戦を提案する」と述べた。

また報道官は「提案に応じるのであれば、オロミア州に人道的回廊を開く」と約束した。

現地メディアによると、政府はOLAの申し出に関する声明を発表していない。

オロミア州はエチオピア最大の州であり、干ばつの影響を特に強く受けているとみられる。

国連は今月、エチオピアで緊急支援を必要としている人の数が2000万人を超え、そのおよそ75%が女性と子供であると発表した。

国連が今月公表したレポートによると、エチオピアは過去40年間で最悪の干ばつに直面しており、その影響は南部と東部の広い範囲に及んでいるという。

食料不足は家畜にも影響を与えており、この数カ月で家畜300万頭以上が死んだと推定されている。

OLAは声明の中で、「多くの女性や子供が毎日餓死している」と報告したが、政府は飢餓の発生を否定している。

2019年にノーベル平和賞を受賞したアハメド(Abiy Ahmed)首相は14日、ウクライナ南部からエチオピアに穀物を輸送しようとする国連の取り組みを批判し、「国連はエチオピアに恥をかかせようとしている」と主張した。「エチオピアは飢えてなどいません...」

しかし、同国で最も深刻な影響を受けている北部ティグライ州で活動する地元NGOはAP通信の取材に対し、「今年の干ばつは異常であり、多くの子供や何万頭もの家畜が犠牲になった」と語った。「私たちは支援を切望しています...」

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