◎ヌゲマ一族が国内で逮捕されたのは恐らく初めて。
赤道ギニアのヌゲマ大統領(Getty-Images)

赤道ギニアの国営テレビは17日、ヌゲマ(Teodoro Obiang Nguema Mbasogo)大統領の息子汚職の疑いで逮捕されたと報じた。

報道によると、ルスラン(Ruslan Obiang Nsue)氏は国営航空会社の航空機を不正に売却し、利益を上げたという。

捜査当局は声明で、「企業は昨年11月末に航空機が1機足りないことに気づいた」と述べている。

国営テレビは関係者の話を引用し、「ルスラン容疑者はスペイン・カナリア諸島のラスパルマス・デ・グランカナリアに拠点を置く企業に航空機を売却したとみられる」と報じた。

ルスラン氏はヌゲマ氏の下で閣僚を務め、現在は国営航空会社の副社長を務めている。

ルスラン氏の兄弟であるテオドロ(Teodoro Nguema Obiang Mangue)副大統領はツイッターに声明を投稿。「ルスランは航空機を勝手に売却したと認めた」と説明した。「私は家族主義やえこひいきを許しません。私は彼の即時逮捕と司法への引き渡しを命じたのです」

テオドロ氏は2021年7月、違法行為で利益を上げたとして仏裁判所で執行猶予付きの有罪判決を受け、フランス国内の資産を没収された。

また英裁判所も同年、テオドロ氏が保有する金融資産を凍結し、入国を禁じた。テオドロ氏はこの判決に抗議し、在英大使館を閉鎖した。

アナリストによると、ヌゲマ一族が国内で逮捕されたのは恐らく初めて。

ルスラン氏が航空機を売却した可能性があるというニュースは昨年末に報じられ、国民の怒りに火をつけた。

ヌゲマ氏は君主制を除く国家の中で最も長く権力を保持し、その期間は43年を超え、世界記録を更新中である。昨年11月に行われた大統領選では有効票の99.7%を獲得したと宣言し、6期目をスタートさせた。

赤道ギニアの2021年の一人当たりGDPはサハラ以南のアフリカ諸国で3番目に高いものの、富の大半はヌゲマ氏とその親族、関係者、一部の高官に集中している。

ヌゲマ氏は1979年に政権を掌握し、クーデターを退け、石油の輸出で得られる利益をほぼ独占し、アフリカ大陸で最も裕福な指導者のひとりとなった。

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