◎マールブルグ病は出血熱を引き起こすウイルス性疾患で、致死率はエボラ出血熱に匹敵する。
マールブルグウイルス(Centers for Disease Control and Prevention)

世界保健機関(WHO)は23日、赤道ギニアで流行中のマールブルグウイルスによる死者が確認できているだけで20人に上ったと報告した。

マールブルグ病はエボラ出血熱によく似たウイルス性疾患で、感染力が強く、致死率も高い。致死率は地域の医療体制によって異なり、過去の発生では24~88%まで幅があった。

赤道ギニアでは国境沿いのキエンテム(Kie-Ntem)県で今年1月7日に初めて死者が報告され、その後、都市部に広がったとされる。

WHOは声明で、「パンデミックを避けるためには感染予防対策を強化する必要がある」と指摘した。

赤道ギニア政府は今週、「3月11日~20日の間に感染者を8人確認し、そのうち6人が死亡した」と報告したが、流行開始以降の累計感染者数と死者数は公表していない。

WHOは「23日時点でこのウイルスの感染者を少なくとも20人感染し、20人が死亡した」と述べている。

それによると、キエンテム県を含む少なくとも4地域で死者が確認されたという。

政府は「商業の中心地バータも影響を受けた」と報告している。

WHOは「最初に死者を確認したキエンテム県の封じ込め対策は十分ではなかった」と指摘。数日以内にWHOの専門家を追加派遣するとした。

またWHOはガボンとカメルーンの感染予防対策も支援するとした。

赤道ギニアから遠く離れた東アフリカのタンザニアでも今週、マールブルグ病により5人が死亡した。

マールブルグ病は出血熱を引き起こすウイルス性疾患で、致死率はエボラ出血熱に匹敵する。このウイルスを治療するワクチンや薬剤は開発されていない。

専門官によると、医療機関で水分補給などの治療を適切に受けると生存率が高まるという。2004年にアンゴラで発生した集団感染では感染者252人のうちおよそ9割が死亡している。

WHOは血液製剤、免疫療法、薬剤、複数のワクチン候補など、このウイルスに対抗する様々な治療法を研究・評価している。

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