◎スエズ運河庁は今月初めにも通行料を値上げしている。
2015年8月6日/エジプトのスエズ運河(Amr Nabil/AP通信)

エジプト政府は22日、世界で最も重要な水路のひとつであるスエズ運河の通行料を5月に値上げすると発表した。

スエズ運河庁は今月初めにも通行料を値上げしている。

同庁のウェブサイトによると、原油タンカーと石油製品を積んだ貨物の通行料は10%値上げされるという。

この値上げは5月1日に実施される予定だが、同庁によると、世界の海運の変化に応じて修正または中止される可能性もあるとのこと。

ケミカルタンカーやその他のばら積み貨物船の通行料は3月の値上げ幅を10%から20%に、ドライバルク船は10%値上げされる予定。

車両貨物、一般貨物、重量物、多目的貨物は3月の値上げ幅を7%から14%に引き上げる。

さらに、原油や石油製品貨物は通常の通行料の5%の燃油サーチャージを引き続き支払う必要がある。

スエズ運河庁はウェブサイトの中で、「今回の値上げは世界貿易の著しい伸びと...水路の開発とトランジットサービスの強化に沿ったもの」と述べている。

同庁は現在、水路の南部を拡張する工事を行っている。2021年3月に発生した貨物船の座礁事故は世界の貿易に大きな影響を与えた。同庁によると、世界貿易の約10%がスエズ運河を経由している。

昨年スエズ運河を通過した貨物船は20,000隻を超え、2020年から10%近く増加した。2021年の純利益は63億ドル(約7,600億円)に達し、過去最高を更新している。

海運業界はコロナウイルスの影響を強く受けており、ロシア・ウクライナ戦争は危機に拍車をかけると予想されている。

2021年3月25日/エジプト、スエズ運河、座礁いたエバーギブン号の船首(Cnes2021/AP通信/エアバスDS)
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