◎今回の大統領選は隣国パレスチナ・ガザ地区の紛争に飲み込まれ、影が薄くなった。
エジプト、首都カイロ、シシ大統領(Getty Images)

エジプトの選挙管理委員会は18日、大統領選の最終結果を公表し、得票率89.6%でシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領の3選が決まった。

首都カイロで国営テレビの取材に応じた男性は「大統領選よりガザ紛争の方が気になる」と語った。「立候補したの、シシ大統領だけだろ?」

今回の大統領選は隣国パレスチナ・ガザ地区の紛争に飲み込まれ、影が薄くなった。

シシ大統領はよく知られていない候補者3人の挑戦を払いのけたようだ。地元メディアは「有力な対抗馬なし」「圧勝」「イスラエルとハマスに飲み込まれた選挙」などと報じている。

エジプトはこの数年、過去最悪の経済危機に直面。債務の処理に悩まされ、度重なる通貨切り下げに見舞われ、生活費の高騰で国民の大多数が厳しい生活を余儀なくされている。

一部の有権者はカイロ東部に建設された数十億ドルの首相府を含む、インフラや巨大プロジェクトを非難している。

しかし、ガザ紛争の影響で経済より安全保障に注目が集まり、多くの有権者が西側諸国と良好な関係を築くシシ大統領に投票したようだ。

シシ大統領は元陸軍大将。2013年に分裂を招いたイスラム主義者のムルシ(Mohamed Morsi)大統領を打倒し、政権に就いた。

2014年と18年の選挙では得票率97%で圧勝。今回の得票率をそれを下回ったが、それでも他の候補が弱すぎたようだ。

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